IoTとは?今さら聞けない基本の「き」

IoT

はじめに

近年、あらゆる業界で注目されている「IoT(アイオーティー)」。しかし、「言葉は聞いたことがあるけど、実際にはよく分からない」という方も少なくありません。特に工場やお店、サービス店舗の運営に携わる方にとっては、「IoTってウチにも関係あるの?」という疑問もあるでしょう。この記事では、IoTの基本的な仕組みや考え方を、初めての方でも分かるように解説します。

IoTとは何か?

IoTとは「Internet of Things」の略で、日本語では「モノのインターネット」と訳されます。簡単に言うと、様々な機器やセンサーがインターネットにつながることで、情報をやり取りしたり、遠隔から制御できる仕組みのことです。

たとえば、

  • 工場の機械の稼働状況を自動で記録
  • 倉庫の温湿度を遠隔でモニタリング
  • 部屋の入退室管理と施錠・解錠
  • 電子機器をスマートフォンから遠隔操作 など、これまで「人が見に行っていた」「人が手動で操作していた」ことを、自動化・遠隔化する技術です。

IoTを構成する3つの要素

IoTは大きく分けて以下の3つの要素で構成されています。

1. センサー・デバイス

温度・湿度・開閉・照度・電流・位置情報など、現場の情報を検知するセンサーや機器です。これらのセンサーによって、目に見えない変化や動きを定量的に把握できるようになります。

さらに、近年では生体センサーを活用したIoTも注目されています。たとえば、心拍や体温、血圧、脈拍、睡眠の状態などを測定するセンサーは、医療・介護分野や作業者の健康管理において重要な役割を果たしています。一部スマートウォッチにも搭載され、知名度は急上昇しました。 ヘルスケア分野はもちろん、労働者の状態をモニタリングして熱中症の予防や、安全対策に活かすといった活用も増えています。

2. 通信ネットワーク

検知知したデータを送るための手段です。Wi-Fi、4G/LTE、LoRa、BLE(Bluetooth Low Energy)などがあります。それぞれに特性があり、例えばWi-Fiは高速通信に向いており、LoRaは長距離通信に優れています。

加えて、**5G(第5世代移動通信システム)**の登場により、IoTの可能性はさらに広がっています。5Gは「高速・大容量」「低遅延」「多数同時接続」が特徴で、リアルタイム性が求められる工場のロボット制御や、映像を伴う遠隔監視、AGV(自動搬送車)の制御などにも活用が進んでいます。

3. クラウド・アプリケーション

集めたデータを保存・分析し、必要に応じて可視化や制御を行うソフトウェアです。Webアプリやスマホアプリの形で使われることが多いです。

クラウドによるデータ管理は、場所を問わずに情報にアクセスできる点がメリットです。例えば、管理者が外出先からスマートフォンで施設の温度状況を確認したり、異常があれば通知を受け取ることも可能です。さらに、AIを組み合わせることで、データ分析から将来の予測まで行えるようになっています。

なぜ今、IoTが注目されているのか?

1. 人手不足

多くの施設では、深刻な人手不足が続いています。作業員の確保が難しい状況の中で、IoTはその解決策のひとつです。IoTを活用すれば、設備の稼働状況や環境データを自動で収集・監視できるため、現場に常駐する必要がなくなり、人が行っていた定型作業を省力化・自動化できます。また、作業の「見える化」により、スタッフの配置や業務計画の最適化にもつながります。

2. 省エネ・効率化

電気・ガス・水道などのエネルギー消費をリアルタイムで可視化し、無駄を発見できるのがIoTの大きな強みです。たとえば、稼働していない時間帯の設備の電源が入りっぱなしになっているなど、**「気づかれにくい無駄」**をデータで浮き彫りにし、改善につなげることができます。また、作業効率や動線を分析することで、レイアウト変更や業務改善のヒントにもなります。

3. 安全管理

事故やトラブルを未然に防ぐためには、「いつ・どこで・何が」起きたかを正確に把握する仕組みが欠かせません。IoTでは、センサーによって異常振動・高温・水漏れなどを即時に検知し、アラートを飛ばすことが可能です。これにより、人的被害や設備の損傷を最小限に抑えることができます。また、記録されたデータは事故の原因究明や、再発防止のための資料としても活用できます。

特に工場や施設では、「誰も見ていないときに起きる問題」を防ぐためにもIoTが役立ちます。

IoTは難しい技術?

「IoTは専門知識がないと使えない」と思われがちですが、最近は簡単に導入できる製品やサービスも増えており、技術の進化とともにハードルは下がっています。実際、温湿度センサーや遠隔操作リレーなど、設置してスマホやPCで確認できる**「導入だけなら簡単」**な製品も多く存在します。

しかし一方で、複数の機器を連携させたり、クラウドと連動して業務全体を最適化する開発となると、やはり専門的な知識と技術が必要になります。現場の状況に合わせた機器選定や通信設計、セキュリティ面の配慮など、導入後の安定運用まで見据えるなら、信頼できるパートナー選びが非常に重要です。

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まとめ

IoTは「難しそう」「自社には関係ない」と思われがちですが、実際にはどんな現場でも応用できるシンプルな技術です。本記事で少しでもイメージが湧いた方は、次回の記事「なぜ今、工場や施設にIoTが必要なのか?」もぜひご覧ください。

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