IoTデバイスの種類と選び方のポイント

IoT

はじめに

「IoTを導入したいけど、何から始めればいいか分からない」──そんなとき、まずは“どんなことができるのか”を知ることから始めましょう。

この記事では、工場や農業施設、オフィス、レンタルスペースなど、さまざまな現場で使われているIoTセンサーの種類をご紹介します。

あくまで目的は「技術を選ぶこと」ではなく、**「どんなことができるのか」**のヒントを広げること。事例と一緒に読みながら、「あ、自社にも使えるかも」と感じていただければうれしいです。


主要なセンサーの種類と用途(施設別事例付き)

1. 温度・湿度センサー

「このセンサーがあれば、温度・湿度の異常にすぐ気づくことができます。

  • 工業分野:製造装置や薬品保管庫の温度管理。異常温度で製品品質が損なわれる前にアラート。
  • 農業分野:ビニールハウス内の温湿度を遠隔監視し、自動換気制御。
  • サービス施設:宿泊施設の客室コンディション管理、冷蔵庫や冷凍庫の保管温度管理。
  • ビジネス:サーバールームの過熱検知、空調の効率運用。

2. 開閉センサー(マグネットセンサー)

「このセンサーがあれば、扉や窓の“開いたまま”を見逃さなくなります。

  • 工業分野:危険エリアのゲートが開けられた際の警告。
  • 農業分野:倉庫や資材小屋の開閉監視、防犯対策。
  • サービス施設:レンタルスペースの入退室履歴取得、夜間の防犯監視。
  • ビジネス:オフィスのセキュリティ強化、入退室ログ取得。

3. 電流センサー(CTセンサーなど)

「このセンサーがあれば、どの機器がどれだけ電気を使っているか“見える化”できます。

  • 工業分野:生産設備の稼働状況や待機電力をチェック。不要な電力消費を削減。
  • 農業分野:水ポンプや換気扇の稼働状況の遠隔把握と故障検知。
  • サービス施設:空調や厨房設備のエネルギー管理。
  • ビジネス:フロア別・部門別の電力使用量モニタリング。

4. GPSセンサー

「このセンサーがあれば、モノや人の“今どこにいるか”がわかります。

  • 工業分野:屋外設備やレンタル機器の位置管理。
  • 農業分野:トラクターや農業ドローンの運行履歴記録。
  • サービス施設:移動型販売車や訪問介護車の位置把握。
  • ビジネス:社用車の運行管理、配送ルートの最適化。

5. 振動センサー/加速度センサー

「このセンサーがあれば、設備の異常や“いつもと違う動き”を事前にキャッチできます。

  • 工業分野:回転機械やポンプの異常振動検知による予知保全。
  • 農業分野:揺れや衝撃に弱い作物搬送時の事故検知。
  • サービス施設:エレベーターや自動ドアの異常動作検知。
  • ビジネス:ATMや展示品の不正な操作検出や防犯センサー代わりに。

通信方式の種類と選定基準

1. Wi-Fi

  • 特徴:高速・大容量通信が可能。既存の無線LAN環境があれば導入しやすい。
  • 適したシーン:事務所内、建物内での使用(電源が確保できる前提)
  • 注意点:通信が不安定になることもあるため、通信の安定性確認が必要

2. LTE/4G/5G

  • 特徴:広域通信が可能で、遠隔地や移動体にも対応可能。
  • 適したシーン:自社回線が敷設できない現場、広範囲をカバーしたいとき
  • 注意点:通信料が発生するため、ランニングコストを考慮

3. LoRa(LoRaWAN)

  • 特徴:省電力・長距離通信が可能。データ量は少ないが屋外利用に強い。
  • 適したシーン:屋外の広域監視(農地、工場敷地全体など)、電源が取りにくい場所
  • 注意点:通信速度が低く、リアルタイム性はやや劣る

4. BLE(Bluetooth Low Energy)

  • 特徴:近距離通信に最適。低消費電力でスマートフォンとも連携可能。
  • 適したシーン:入退室管理、室内機器の操作や通知
  • 注意点:通信距離が短く、障害物に弱い

機器選定のポイントまとめ

  • 使用環境を明確にする:屋内外、温湿度、電源の有無など
  • 何をセンシングしたいか明確にする:温度?動き?位置?
  • データの送信頻度やリアルタイム性を考える
  • 初期費用+ランニングコストのバランスを考慮する
  • 将来的な拡張性(別システムとの連携)も視野に入れる

まとめ

IoTは目的に合った「センサー×通信」の組み合わせ選びが成功のカギです。「とりあえず安いものを…」ではなく、現場環境や用途に合った選定を行いましょう。

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